地球温暖化による影響って?身近で起こることは?
地球温暖化は、ここ数十年で急速に進行している地球規模の問題であり、私たちの日常生活や自然環境に様々な影響を及ぼしています。
この記事では、地球温暖化の現状やその影響について詳しく解説していきます。
地球温暖化の現状
地球温暖化とは、地球の平均気温が長期的に上昇する現象のことを指します。
その主な原因は、私たち人間の活動においての化石燃料の燃焼や森林伐採などで、大気中に含まれている二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)などの「温室効果ガス」が大気中に放出されることです。
地球規模で気温が上昇することで、海水が膨張したり、氷河が融解し、海面が上昇し陸地が減っていきます。これにより、南太平洋に位置するキリバスやツバルといった小さな島国がいずれ水没してしまう危険が叫ばれています。
世界平均気温はこの100年で約0.8度上昇していて、それは近年になるほど加速しており、2050年には平均気温が2024年現在より3度上がるとも言われています。
また、気候変動による異常気象が頻発する恐れがあり、私たちの生活環境や農業の他、自然の生態系への影響も懸念されています。
世界気象機関(WMO)によると、暴風雨や洪水、干ばつなどの気象災害と言われるものは、1970年から2019年の間で5倍近くに増加しているといいます。
地球温暖化による影響って?
地球温暖化による影響は多岐にわたり、私たちの生活や自然環境に直接的、または間接的に変化を及ぼす可能性があります。
ここでは、「自然環境への影響」「生態系への影響」「人間への影響」に分けて具体的に見ていきます。
自然環境への影響
自然環境への主な影響としては、前項でも挙げたように、海面の上昇による陸地の減少です。特に、極地や高山地域での氷河や氷床の融解が加速しており、沿岸部での浸水被害が増加しています。
また、台風やハリケーンの強度が増していることによる、豪雨や干ばつの被害も増加しています。それにより、農作物の収穫量の不安定化や、食糧供給への影響も懸念されています。
気温上昇による乾燥化が進む地域での森林火災の発生リスクも高まります。森林火災では、動植物の生息地が失われる恐れがあります。また、火災が長期化してしまうと、森林が回復不能となり、大気中に大量の二酸化炭素が放出され、地球温暖化をさらに加速させてしまいます。
生態系への影響
気候変動が起こることにより、多くの生物が従来の生息地で生存できなくなっていきます。これは、生態系のバランスを崩し、絶滅の危機に瀕する種が増加することに繋がります。
海水温の上昇や海洋酸性化が海洋生態系に大きな影響を与えていて、例えば、サンゴ礁の白化現象が広がり、危機的状況にあります。
また、魚やクジラなどが高い海水温の場所を避けて移動することで、食物連鎖が乱れることも懸念されているのです。
一部の動植物は新たな生息地を求めて移動していますが、すべての種が適応できるわけではなく、特に北極や南極地域の生物が生息地を喪失するという深刻な影響を受けています。
また、気候変動により食物の捕獲が困難になったり、繁殖ができなくなる種が存在する一方で、生息地を広げて数を増やす種も出てきている状況です。
長い年月をかけて作られてきた生態系の食物連鎖や相互利用の関係は、微妙なバランスで成立しており、他の種の侵入は生態系の崩壊の危険性が高まります。
生態系が崩れることは、私たち人間の生活にも悪影響を及ぼすことになります。
人間への影響
地球温暖化は私たち人間にも大きな影響をもたらします。その一つは健康への影響です。気温の上昇によって、熱中症の発生件数が増加しています。厚生労働省は、1993年以前の熱中症の発生件数平均は67人だったのに対し、1994年以降は年平均が667人に増加していると発表しています。
熱中症以外にも、光化学スモッグの発生による心疾患や呼吸器疾患、脳血管疾患などにかかるリスク、気温上昇によって蚊のような媒介昆虫が繁殖しやすくなり、デング熱やマラリアといった感染症のリスクも高まります。
社会経済への影響も大きく、異常気象や気候変動による農作物の不作や、動物や海洋生物の生息地が変化することで肉類や魚介類が減ることにもつながります。これは、物価の上昇や食糧危機を引き起こします。
他にも、自然災害による住環境の悪化もあります。豪雨や自然火災などの影響で、これまで住んでいた場所からの移住を余儀なくされることも考えられます。
地球温暖化による影響について
地球温暖化は、私たち人間の生活における温室効果ガスの放出が大きな原因です。地球温暖化が進行することで私たちの生活において、健康被害や食糧不足、住環境の悪化などの影響があります。
また、自然環境においては海面の上昇による陸地の減少、台風やハリケーン、豪雨といった自然災害の増加といった影響があり、それは生態系の崩壊といった危険をもたらします。
そのため、持続可能な社会を目指すためには、私たち一人ひとりが地球温暖化の原因と影響を理解し、温室効果ガスの削減に向けた取り組みを進めることが重要です。
個人レベルでできることとしては、エネルギーの節約、再生可能エネルギーの利用、公共交通機関の利用などがあります。
未来の世代に対して、健全な地球環境を残すために、地球温暖化への理解を深め、対応を進めていきましょう。
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